リコー、次期社長に託された「複写機以外」の成長 山下社長が渡す「バトン」はなかなかに重い
「デジタルサービスの会社」への変革を掲げた中期経営計画の終了を前に発表された社長交代。山下社長からバトンを託された大山氏が担う役割とは。
6年ぶりとなる複合機大手・リコーの社長交代は「足場固め」の完了を意味するといえるだろう。山下良則社長(65)の後任に抜擢されたのは、大山晃専務執行役員(62)だ。1月30日の記者会見で山下社長は、「懐の深いムーミンパパのような人だと思っていたが、(一緒に仕事をした)結果は、利他の心を持つ仕事人だった」と大山氏を評した。
大山氏は約20年にわたった海外駐在で欧米子会社のトップを歴任。特に、英国の印刷機老舗であるゲステットナー社、アメリカのオフィス機器販売店・アイコン社の統合で力を発揮した。2015年6月にリコーの取締役に就任。カンパニー制が導入された2021年4月には、リコーデジタルサービスビジネスユニット(以下、BU)のプレジデントに選ばれた。
「デジタルサービスの会社となると、顧客接点で(顧客ごとに異なる条件や価値観のもとで)付加価値を付けていかなければならない。しかもグローバルで。そのようなビジネスを強化するうえで必要な人材、という要件に合っていたのでは」
大山氏自身がそう分析したように、リコーデジタルサービスBUでの実績と海外からの信頼の厚さが次期社長としての指名につながった。
次期社長は「事業転換」の最前線にいた
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら