高騰続く中古車市場で「明暗」が分かれる事情 出口の見えない高騰、仕入れで苦戦する業者も
記録的な高値が続き、一見活況にも見える中古車業界。しかし、苦戦を強いられる業者もいる。いったい何が起きているのか。
「今の状況を喜んでいる人なんて、中古車市場にはいないのでは」
今期の増収増益を見込むある大手中古車販売業者の担当者は、ため息交じりにそう語った。「ここのところの中古車単価の高騰は異常。2023年も高値が続くのではないか」。
半導体不足に伴う新車供給難により、需要が高まって高騰した2022年の中古車市場。カーオークション大手のユー・エス・エスでは、2022年6月以降11月まで6カ月連続で平均落札価格が100万円を上回った。9月には過去最高の122万円を記録し話題を集めた。
中古車販売大手のネクステージが1月5日に発表した2022年11月期決算は純利益が前期比43%増の138億円で、8期連続で最高益を更新した。買い取り店の数を前期に比べ4割増やす出店攻勢が効き、買い取り台数はほぼ倍増。中古車販売台数も前期比約3割増となり、業績を押し上げた。
仕入れ価格の高騰に苦しむ業者
消費者の旺盛な需要を背景に活況を呈する中古車市場だが、業者の顔はどこか暗めだ。買い取り・販売業者は仕入れ価格の高騰に苦しむ。
「需要があるので高く売れるが、高く買うことになるので意味がない」「資金力がない中小業者は良い車を集められないので厳しい」と業者は口を揃える。業界内の淘汰の加速も懸念される。国内で中古車オークション会場を6カ所運営する荒井商事の担当者は「中小の業者はコロナ禍で厳しく、廃業届が結構出ていると聞いた。今後は大手に集約される可能性もある」と語った。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら