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西側の夜郎自大な思考を糾弾するプーチン大統領 ヴァルダイ会議で今後のロシア情勢を読み解く

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ロシアでは毎年、内外の有識者を招いて数日間催されるヴァルダイ会議という行事がある。この会議の最終日にはプーチン大統領が出席し、講演を行った後、出席者と討論する。今年のこの会議は、モスクワ郊外で10月24~27日に行われた。今回のヴァルダイ会議は、ウクライナ戦争勃発後、初めて行われたこともあり、掲げられた共通テーマは「覇権後の世界──万人のための正義と安全保障」だった。

10月27日にプーチン氏は1時間の講演後、出席者との討論を3時間行った。プーチン氏は講演の際には時々メモを見ていたが、有識者との討論ではメモを見たり補佐官からの助言を得たりすることがなかった。内外の問題をプーチン氏が正確に把握し判断していることがうかがわれた。

ヴァルダイ会議での目的

この連載でも述べたが、9月末からプーチン氏のウクライナ戦争の目的が変化している。以前は、ロシアがネオナチとかバンデラ主義者とか呼んでいるゼレンスキー政権を打倒し、「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の住民を保護することが目標だった。それが現在では、ゼレンスキー政権は傀儡(かいらい)にすぎず、主たる敵は米国を中心とする西側連合だとの変化が生じた。プーチン氏の心の中では、すでに第3次世界大戦が始まっているのだ。

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