1億部目前のメガヒット作品『キングダム』。舞台は春秋戦国時代の中国。下僕出身の少年、信(李信)は、中華統一を目指す若き日の始皇帝・嬴政(えいせい)と心を通わせ、理想を胸に「天下の大将軍」への道を駆け上がっていく。熱い物語が読者を魅了し続け、『週刊ヤングジャンプ』での連載は17年目に入った。
──前回は、キャラクター配置についての話がありました。描いていて楽しい、あるいは描きづらい登場人物はいますか。
最近は、羌礼(きょうれい)を描くのが楽しい。少し前は楚の女将軍、媧燐(かりん)とその側近のバミュウの組み合わせも楽しんで描いていました。3人とも、ストーリーの緊張を和らげるキャラクターたちです。
逆に今、描きにくさを感じているのは、野盗の首領から将軍になった桓騎(かんき)と、彼の軍に属するキャラクターたちですね。
主人公の信との距離が遠かった時期、例えば桓騎軍の残虐行為に信が激しく反発した黒羊丘の戦いの頃は「悪いけれど強い将軍」として、ある意味、描きやすかった。
描き進める中で「予想外」のことが起きる
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