キングダムの作者が語る「面白い作品」の決め手 原泰久氏「ただの紙とインクが人の心を動かす」

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『キングダム』作者の原泰久氏。連載は現在17年目(撮影:尾形文繁)
春秋戦国時代の中国を舞台に描かれる『キングダム』。コミックス(最新66巻)は1億部目前のメガヒット作品だ。メディアミックスも盛んで、テレビアニメは第5シリーズの放送が決定、実写映画は第3弾の公開が2023年に予定されている。
週刊連載と同時に『キングダム』実写映画や大規模な原画展など幅広い仕事に取り組む原泰久氏が、作品の裏話から漫画文化を取り巻く現状まで、縦横無尽に語る下編。(こちらに、上編中編)。


──最初の読者である編集者の意見を大切にしているとのこと(詳細は中編)。それを原稿に反映しながら、売れる漫画にしていくということでしょうか。

それは難しい問題です。意図して「売れる漫画」に寄せるのが正しいとは限らない。売れ線を追うことで逆に売れなくなる場合も多いと思います。

まずは漫画の中身をしっかり作り込み、作品の軸、自分の軸を持つ。その先に、現状に鑑みて売れそうなほうに進むか否かという選択肢が出てくる。最初から「今、はやっているからこれを描こう」というやり方は、危険な感じがします。

──『キングダム』は独特の絵柄が魅力と言われます。今は、絵柄やストーリーについて、読者がSNSで自由に感想や考察を発信し、批評を行っていますね。

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