茨城県が校長を10名公募、4年連続「教員免許・教職経験不問」で人材採用する訳 インド出身の元区議会議員や電通マンが活躍
一方、笠間市に開校予定のIT未来高校は友部高校を改変し、情報システムコースと情報デザインコースを設置(80人募集)。大学進学を視野に入れつつ、情報システムコースではネットワークの設計や構築などができるSE(システムエンジニア)やプログラマー、情報デザインコースではCGやウェブのデザイナー、ゲームクリエーターの育成を目指す。

定時制の仕組みを使いながら、午前中で授業が終わる、午後から授業を受ける、3年ではなく4年かけて卒業するなど、柔軟にカリキュラムを組めるようにして、ITスキルを伸ばしたいと考える生徒を集める考えだ。IT未来高校では大学だけではなく、マイクロソフトやアドビなどの企業と連携した講座を予定している。
マネジメント経験は必須、だが教員免許や教職経験は不問
今回の校長公募は、このつくばサイエンス高校とIT未来高校の2校の校長も含んでいる。
「応募資格はIT・AI・IoT・ビッグデータ・ロボット・バイオテクノロジー・都市デザインのいずれかにおいて、設計などの専門技術を生かす仕事に携わってきた方としています。またいちばん期待しているのは、大学や研究機関との連携で、人的ネットワークを広く持っている方に来ていただきたいと考えています」(茨城県教育庁学校教育部 高校教育課 人事担当 井上剛氏)
そのほかの着任先は、日立第一、太田第一、鹿島、下館第一、下妻第一の中高一貫校に加えて、勝田、並木、古賀の中等教育校だ。多様な経験を求めているため、教員免許や教職経験は不問だが、教職員と連携して改革を推進する必要があることから、複数名のマネジメント経験を必須としている。
昨年に続いて今年も、より広く優秀な人材を集めるためエン・ジャパンが協力している。以下4つのサイト「エン転職」「ミドルの転職」「AMBI」「エンゲージ」からエントリーが可能だ。応募受付は9月28日まで。詳しくはこちらから
00年、文科省が学校教育法施行規則を一部改正し、校長の資格要件を緩和して以降、教員出身ではない校長の登用ができるようになった。だが、必ずしもうまくいっている自治体ばかりではないことから、校長公募と聞いて「教員の経験のない人に何ができるのか」「うまくいくはずがない」「現場の反発を受けて終わり」という人たちも多い。
だが、茨城県は校長公募を続けている。それはなぜなのか。大きな成果が出てくるのは少し先かもしれないが、すでに変化は見え始めている。
(編集部 細川めぐみ、注記のない写真:kouta / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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