課題となったのは、金融緩和の出口を見いだせなかったことだ。当初は2年程度としていた異次元の金融緩和はなし崩し的に延ばされ、共同声明でうたった2%の物価安定目標はいまだ達成されていない。
大和総研の熊谷亮丸副理事長は「アベノミクスは日本経済をデフレの瀬戸際から救い、戦後で2番目の長期景気拡大を実現したという点で評価できるが、企業の生産性や賃金など潜在成長率を上げられなかった」と指摘する。
長期政権の弊害もあった。2017年に国会において森友学園への国有地払い下げで不正があったのではないかとの追及を受け、後に財務省による公文書改ざんが発覚。菅義偉官房長官と進めた官邸主導体制では各省庁の頭越しに政策を決め、幹部人事の官邸色も強まった。それが官僚の忖度(そんたく)文化を生んだとの見方が根強い。
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