宮城県の水道「民間委託」世界で戦う商社の視線 水道事業に参入した総合商社は岐路を迎える

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宮城県で始まった水道事業のコンセッション。すでに世界各地の水ビジネスに参画している総合商社はこの動きをどう見ているのか。

チリ南部「Aguas Decima社」の浄水施設(写真:丸紅提供)

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今年4月から宮城県で上下水道、工業用水の9つの事業を一括して民間に委託するコンセッションが始まった。上水道を含む20年間のコンセッションは全国初の試みだ。浄水場で使用する薬品の共有化や施設の集中監視など、民間のノウハウを活かし、事業期間の中で約337億円のコストを削減する。事業計画では毎年度黒字が続くとしている。

効率化すればそれだけ利益が上がる仕組みだが、県民からは「営利を追求する民間委託で、水道料金が値上げされたり、水質が落ちたりするのではないか」と懸念が広がる。それに対して県は有識者らによるチェック機関を設け、水道料金の値上げは需要変動や物価上昇分に限り、料金改定には条例改正も必要とする。

こうした「みやぎ型管理運営方式」は、人口減少と過剰設備に苦しむ全国の自治体の注目の的だ(地方自治体の水ビジネスの現状はこちらから)。

世界の水ビジネスには日本の商社も参画

一方、世界に目を向けると、イギリスでサッチャー政権が1989年に水道民営化に踏み切ったのを皮切りに、1990年代から水道事業の民営化は先進国、途上国問わず活発となった。成功例がでてくる一方で、失敗例も積み上がっている。

それらの世界の水ビジネスには、日本の総合商社が関わっている案件も少なくない。

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