スルガ銀「アパマン融資」で不正疑い 競売申し立てで広がる狼狽

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シェアハウス事件を起こしたスルガ銀が不正融資問題に揺れている。

2月4日、東京・霞が関の司法記者クラブで開かれた「スルガ銀行不正融資被害弁護団」による記者会見

スルガ銀行が、再び不正融資問題で揺れている。

今回問題になっているのは、2014年から17年ごろにかけて集中的に実行されてきた投資用アパート・マンション融資(アパマンローン)だ。同ローンの対象は1棟のアパートやマンション。その8割が築年数20年を超える中古物件で、全国各地に点在していた。

不動産業者が投資家を募りスルガ銀行が融資を実行するものだったが、物件の収益性を実勢より高く見せるなどずさんな計画が多く、結果、多額の債務を負うアパマンオーナーが続出した。

神奈川県在住の40代男性は16年、アパマン販売会社の社長から投資用アパマン物件の紹介を受けた。「当時、海外留学をした直後で、口座には100万円程度しかないと伝えたが、販売会社は『スルガ銀行の融資が決まっているから(問題ない)』と説明してきた」という。結局、男性はスルガ銀行から約4億5000万円の融資を受け、東京都と福井県の物件2棟を購入。販売会社と賃料保証のサブリース契約を結んだ。

ところが保証されていたはずの賃料支払いは18年8月に止まり、男性はスルガ銀行への返済に窮してしまう。ADR(裁判外紛争解決手続き)交渉の過程でスルガ銀行の融資書類を確認すると、当時の預金残高は「7103万円」に書き換えられていた。男性の物件は22年1月から競売にかけられている。

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