帝人、8年ぶりトップ交代 新社長に求められる柔軟性

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単なる素材メーカーからの脱却推進で、異色キャリアの内川常務が昇格。

鈴木社長(右)は内川氏について「マテリアルの中ではどちらかといえば傍系のキャリア」と語る(撮影:今井康一)

傍系からトップの座へ──。

化学メーカー大手の帝人は2021年12月下旬、8年ぶりに社長交代を行うと発表した。22年4月1日付で、現社長の鈴木純氏(63)が代表権のない会長に退き、取締役常務執行役員の内川哲茂(あきもと)氏(55)が新社長に就く。

発表会見に臨んだ鈴木社長は人選について、「(内川氏は)過去にとらわれず、論理的に実行できる力がある」と強調。並んで登壇した内川氏は「有形無形の資産を受け継ぎ、私の色を加えながら未来をつくっていきたい」と語った。

帝人は現在、自動車向けの複合成形材料などを主軸とするマテリアルと、医薬品などを主軸とするヘルスケアに力を入れる。内川氏は1990年の入社以来、一貫してマテリアル畑を歩んできた。直近では複合成形材料事業本部長などを経て21年4月からマテリアル事業統括を担当している。

内川氏がこれまで帝人で日の当たるところを歩んできたかといえば、そうではない。入社5年目の94年には、早くも顧客の繊維企業に出向した。「子会社への出向ですら片道切符といわれた時代。グループ外の顧客企業に出向しろと言われたのでショックだった」(内川氏)。

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