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三菱商事トップ交代で脱炭素化に本腰 本命候補が就任
次期社長は脱炭素とデジタル化の推進という重責を担う。

次期社長に内定した中西勝也常務(左)と会長に退く垣内威彦現社長(右)。ともに関西出身(撮影:尾形文繁)
商社業界の「激動の時代」を象徴するような社長人事だった。
三菱商事は2021年12月17日に取締役会を開催。22年4月1日付での中西勝也常務執行役員(電力ソリューショングループCEO)の社長就任を決めた。垣内威彦社長は会長に就任する。同社の社長は1期6年で交代することが慣例となっている。16年4月に就任した垣内社長の後任に誰が就くのか注目を集めていた。
振り返れば、垣内氏の社長就任時には三菱商事はたいへんな荒波の中にあった。同社の16年3月期業績が戦後初の最終赤字に陥るという苦境にあったからだ。資源ショックで約4260億円もの減損損失を計上し、1493億円の最終赤字に転落したのだ。
垣内社長が取り組んだのは「市況が悪化しても赤字にはしない」体制づくりだ。競争力の低い資産の売却などを地道に積み重ねてきた。
その宣言どおり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで丸紅や住友商事が過去最大の赤字を出したのとは対照的に、再び赤字に陥ることはなかった。
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