創価学会は日本の社会と政治に大きな影響を与えている宗教団体だ。だが一般のマスメディアの関心は、自民党と連立与党を構成する公明党の支持母体としての創価学会に限られている。
筆者はプロテスタントのキリスト教徒で、同志社大学神学部と同大学院神学研究科では組織神学(キリスト教の理論)を研究した。社会に出てからも神学研究は続けており、現在も同志社大学神学部で後輩たちに組織神学を教えている。だから創価学会の宗教としての内在的論理に関心を持っている。神学には「予型(よけい)論」という考え方がある。新約聖書に書かれているイエス・キリストの物語は、イエスが産まれるはるか以前に書かれた旧約聖書においても予告されているという見方だ。そこからさらに発展して、人間の世界に過去に起きたことのみならず、現在起きていること、そして未来に起きることもすべて聖書(新約聖書+旧約聖書)に予型されていると考える。ここで、時系列では旧約聖書、新約聖書の順番で書かれたにもかかわらず、逆の順番で新約聖書+旧約聖書と記したことには意味がある。新約聖書の視座から旧約聖書を読むことがキリスト教徒としての正しい聖書の解釈法だからだ。
筆者の解釈では、創価学会で新約聖書に相当するのが『人間革命』と『新・人間革命』であり、旧約聖書に相当するのが『日蓮大聖人御書全集 新版』(以下、『御書』)だ。
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