英グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)は大きな関心を集めた。しかし何よりも大切なのは、脱炭素を世界で置き去りにされてきた人々の経済発展と両立できるようにすることだ。なぜなら、途上国や各国の低所得層の協力が得られない限り、世界が掲げる気候変動対策目標の達成はかなわないからである。
私はこのところ、気候変動に関する評論を読む中で1970年代の石油危機を振り返ることが多くなった。最近の分析でとくに光っていたのは、私のよき友人でもある米ピーターソン国際経済研究所のシニアフェロー、ジャン・ピサニフェリー氏によるものだ。同氏は「気候政策はマクロ経済政策であり、その経済的影響は大きい」と論じ、70年代の石油危機との類似点と相違点に言及している。
私は博士課程で学んでいたころ石油危機を研究対象としていたが、当時の学界の見解は「このショックは新時代の到来を告げるもので、原油価格は不安定かつ長期的な上昇局面に入った」という点でおおむね一致していた。ところが80〜90年代のトレンドは、これと正反対のものになった。
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