今回の衆院選は、与野党2大ブロック化など日本の政党システムを左右するものとなった。
この原稿を執筆している現在、10月31日の投票に向けて衆議院選挙の戦いの最中である。締め切りの関係で結果についての論評はできないので、選挙の構図と意義について考えてみたい。
前提として、国民による有意義な選択を邪魔するような自民党の行動については、その非をただしておきたい。岸田文雄首相は、自民党総裁選挙の機会を利用し半月以上にわたってマスメディアで政見を訴えたのとは対照的に、臨時国会では代表質問の論戦を3日だけ行い、予算委員会は開かなかった。また、解散から投票日までは17日しかなく、史上最短の選挙戦となった。多くの国民に投票してもらおうという誠意はまったく感じられない。
序盤の世論調査では、自民党の苦戦が伝えられた。これは自民党の党利党略が逆効果になった表れではないか。衆議院の任期切れ直前の新政権発足だったために実績となる法律や予算は何もない、いわば手ぶらの状態である。うわべの言葉で国民の歓心を買うしかないが、その言葉も二転三転する。
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