大深度法の虚構と現実 リニア工事で問われる

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調布市の外環道陥没事故を受け、JR東海が進めるリニア中央新幹線工事への不信が高まる。

リニア新幹線の立て坑、北品川非常口。ここから調査掘進が始まる(撮影:尾形文繁)

「多大なるご迷惑とご不安を与えてしまいました。心よりお詫び申し上げます」

10月15日。東京都調布市で東京外かく環状道路(外環道)の陥没事故を起こした東日本高速道路(NEXCO東日本)の小畠徹社長が初めて調布市役所を訪れ、同市の長友貴樹市長に謝罪した。

地元の被害住民からは「事故から1年も経って社長が謝ったのは被害を受けた住民ではなく、市長だった」とため息が漏れた。

陥没事故が起きたのは2020年10月18日正午すぎ。調布市東つつじヶ丘2丁目の市道で突然、長さ5メートル、幅2.5メートル、深さ5メートルの巨大な穴が開いた。NEXCO東日本の有識者委員会は、「特殊な地盤での作業ミス」が原因とし、同社は21年9月にトンネル直上の幅16メートル、長さ220メートルを「地盤補修が必要な範囲」と発表した。

ところが冒頭の社長訪問の2日前、芝浦工業大学工学部の稲積真哉教授が現地を訪れ、ある発表を行っていた。稲積教授が独自の地盤調査を行ったところ、「地盤補修が必要」とされていたトンネル直上から数メートルから100メートル離れた4地点で、「地盤が蜂の巣状のスカスカな状態」になっていることがわかったのだ。4地点はいずれもNEXCOが調査していない場所で、1カ所は5年前のデータと比べても明らかに地盤が弱くなっていた。

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