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関心は人選より政権の寿命 米政府が望む日本の新首相

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9月末に退任する菅首相。日本は重要な同盟国だけに、後継争いにはバイデン大統領も注目する(Doug Mills/The New York Times)

菅義偉首相は4月、外国首脳として初めて米ワシントンでバイデン大統領と対面で会談した。会談実現までの動きは早かった一方、日米が抱える重要政策の進捗は遅い。

駐日大使などバイデン政権の人事承認手続きが滞っているほか、新型コロナ禍、東京五輪、米軍のアフガニスタン撤退などの対応に政策担当者の時間が奪われたことも影響した。そして9月に入って菅氏が事実上退任を表明、後継争いが始まったことで、日米の政策にさらなる遅れが生じかねない事態となっている。これを防ぐには、両政府の積極的な努力が欠かせない。

確かに自民党の総裁選挙とそれに続く総選挙の結果がどうなろうと、日米同盟の全体的な方向性が変わることはないだろう。それでもバイデン政権はこれら選挙の行方に強い関心を持っている。結果次第で、同政権が今後3年の任期中に成し遂げられることも変わってくるからだ。米政府が注視するポイントはいくつかある。

路線が近いのは岸田氏

1つは、政治の安定と継続性だ。菅氏とバイデン氏は4月の首脳会談で、「日米競争力・強靱性(CoRe=コア)パートナーシップ」を立ち上げた。激しい地政学的・技術的変化に対処する力を日米で高める枠組みだ。その潜在力は大きいが、サプライチェーン、技術革新、気候変動といった広範な課題を扱うという、独特の難しさも抱えている。このパートナーシップをともに実行する相手として、米政府が最も好ましいとみている自民党総裁候補は岸田文雄氏かもしれない。同氏は中国に対抗する姿勢を鮮明にしており、日米同盟に対する考え方が米政府に近い。ただ、次期首相の人選以上に大事なのは、その首相がどれだけ長く政権を維持できるかだ。

政治の継続性は政治の強さと関連し合い、政治の強さは不人気でも重要な政策を成し遂げる必要条件となる。例えば、安倍晋三前首相は米政府が望む重要政策の実現に政治的資本を費やした。特定秘密保護法(2013年)、集団的自衛権の一部行使容認(14年)、任期を通じての防衛費拡大などだ。安全保障問題は伝統的な防衛分野から経済分野へと範囲を広げている中、首相の政治力が弱く、頻繁に交代する展開となれば、米国が日本に期待できることも減る。その意味で、河野太郎氏が過去に難しい決断にひるまない姿勢を見せてきた点は注目される。とはいえ、同氏が防衛相として20年に下した地上イージス配備撤回の決断は、米政府の意向に反するものだった。

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