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「米国を凌駕しつつある中国の科学技術力」 「緊急事態宣言をゲーム理論で考える」ほか

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有力機関による調査・研究リポートからビジネスに役立つ逸品をえりすぐり、そのエッセンスを紹介。

米国を凌駕しつつある中国の科学技術力

── 宇宙開発・DXの躍進と「強国」の意志

・中曽根平和研究所「科学技術をめぐる米中対立の構造を読み解く―中国科学技術の動向をめぐって―」(2021年8月24日)
・日本記者クラブ会員/日本科学技術ジャーナリスト会議会員 倉澤治雄
科学技術分野で目覚ましい発展を遂げる中国。無人探査機「嫦娥4号」は月裏側着陸にも成功。写真は月面探査車の「玉兎2号」(CNSA)

中国の科学技術力の勢いが増す中、本リポート「科学技術をめぐる米中対立の構造を読み解く」は、具体例を挙げながら中国の科学技術分野での躍進ぶりを伝え、米国との覇権争いの行く末を予想している。

まず、国の科学技術力を示す有力指標といえる論文の量と質に着目している。中国の論文数は2004年に日本、18年に米国を抜き世界トップに立った。論文の重要度を示す「被引用度」でも、「被引用度1%」という極めて注目度の高い論文を書いた著者が中国には770人おり、2650人の米国に次いだ。

研究開発費や研究者数などを含め、基礎科学の「量」では中国が米国を凌駕しており、これがやがて「質」に転化するかもしれないとしている。ただし、中国には、研究上での自由意志や理想の欠如も見られると、弱点も指摘している。

次に、本リポートが中国の実力を示すものとして着目しているのが宇宙開発だ。21年、中国は火星表面に「天問1号」の探査車を着陸させ、米国が十数年かけて実現した火星探査を、初挑戦で成功させた。

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