巨額売却の電通本社ビル ヒューリックの勝算と試練

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放出された超高層ビルを、不動産市場はどう評価するか。

3000億円規模の売却は、単体のビルとしては国内で過去最高額の取引になりそうだ

広告代理店大手の電通グループは9月3日、東京・汐留の「電通本社ビル」を中心とする汐留A街区不動産の売却を取締役会で決議したと発表した。

売却益は約890億円で、帳簿価格約1770億円やリースバックにかかる会計処理を加えると、売却総額は3000億円規模となりそうだ。売買契約は発表同日に締結され、ビルは信託受益化されたうえで9月30日に引き渡される。

電通によれば、売却先は「合同会社芝口橋インベストメント」というSPC(特別目的会社)だ。芝口橋は電通本社ビルが立つ汐留から程近い新橋の旧地名。登記簿によればSPCは今年6月に設立されており、もっぱら本社ビル取得を目的とした法人とみられる。

通常、SPCは流動化された不動産の受け皿として設立される「空箱」で、背後には別の出資者が存在する。電通はSPCの詳細を明らかにしていないが、本誌の取材によれば、大手不動産会社のヒューリックが取得価格のうち40%から50%未満を出資する。SPCはこのほか、ヒューリックが属する芙蓉グループの系列企業から20%から30%程度を、芙蓉グループ外の企業から残りを調達するとみられる。

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