大和ハウス工業 異例人事の舞台裏 ゼネコン再編ののろしか?
ハウスメーカー最大手の大和ハウス工業へスーパーゼネコンの元社長が移籍する事態に、業界がざわついている。
「え、まさか」。5月14日、ハウスメーカー最大手、大和ハウス工業の本社(大阪市北区)にある会議室で、驚きの声が上がった。
同社の芳井敬一社長はこの日の役員会で、スーパーゼネコンである大成建設の村田誉之副会長(当時)を6月29日付で大和ハウスの取締役副社長・技術統括本部長として迎え入れると報告した。建築分野で豊富な経験を持つ「大物」の移籍の知らせに、出席した役員の多くが目を丸くした。
役員会の後、村田氏の副社長就任が公表されると、業界関係者は一斉にざわついた。「このようなトップ人事は聞いたことがない」(複数の業界関係者)。関係者が驚愕したのも無理はない。ゼネコンからハウスメーカーへの移籍は極めて異例だからだ。
大手ゼネコンは江戸時代や明治時代に創業した老舗企業が多く、道路や橋梁などで多くの建築実績や高い技術力を持つ。それに対して、大和ハウスの創業は戦後の1955年。扱う建築物件も、規模が比較的小さい住宅が中心だ。ゼネコン関係者はハウスメーカーを「格下」と見なしてきた。「かつては建築系の学生にとって、ハウスメーカーは成績の悪い人の就職先と見られていた。今は優秀な学生が数多く入っているが、いまだに格下と見ているゼネコン関係者は少なくない」(大手ゼネコンのベテラン社員)。
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