朝日新聞の新社長、「赤字400億円」への痛切な反省 インタビュー【経営編】/朝日新聞社社長 中村史郎

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日本のジャーナリズムの先駆者である朝日新聞社はいかにして経営を立て直すのか。また、メディアへの信頼が薄らぐいま、報道機関としての役割をどのように担っていくのか。

11年ぶりの営業赤字に転落した朝日新聞社。2021年4月から新社長に就任し、経営の立て直しを任された中村史郎氏が東洋経済の取材に応じた(撮影は上:梅谷秀司、下:尾形文繁)
「使命は経営の立て直しだ」――。2021年4月1日に朝日新聞社の社長に就任した中村史郎氏は、東洋経済のインタビューに対し力強く語った。
朝日新聞社は新型コロナの影響も受け、2021年3月期決算の売上高は2937億円(前年比16.9%減)、営業損益は70億円の赤字(前年は23億円の黒字)と2010年3月期以来の営業赤字に転落した。繰延税金資産を取り崩した結果、純損益では創業以来最大となる441億円の巨額赤字を計上している。
新聞販売部数の減少に歯止めがかからない中、日本のジャーナリズムの先駆者である朝日新聞社 中村新社長はどのように経営を立て直していくのか。

スローガンは「朝日新聞を創り直す」

――「社長になってほしい」という話があったとき、どう受け止めましたか。また、いまの朝日新聞社をどう見ていますか。

この難局が自分に務まるか、と相当に逡巡した。そもそも副社長(編集部注:2020年6月に就任)を打診されたときに、自分はこの先どうなるんだろうか、と。私自身の使命は経営の立て直しだ。社内では「朝日新聞を創り直す」とスローガンを掲げている。

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