障害抱える親の「児童虐待」半年見過ごされた現実 自力で歩けずベビーバギーに乗せられていた

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ステイホームで、子どもたちへの虐待件数が増加している。子どもの「見守り」の機会が減る中、責任が問われるのは親だけなのか。

ステイホームで児童虐待が深刻になっています。※写真はイメージです(写真:yuu / PIXTA)

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新型コロナウイルスの感染拡大からすでに1年以上が経った。「ステイホーム」は感染防止のための基本原則となり、学校や保育園では臨時休校や休園の措置が取られた。現在でも図書館や児童館などの公共施設のほか、ショッピングセンターや映画館さえも営業自粛や時短営業を繰り返している。

そんな中で深刻な問題となっているのが、子どもたちへの虐待件数の増加だ。ステイホームでは、学校など社会との接点が減ってしまったことで、家庭以外の場で子どもを見守る機会がさらに希薄になってしまった。そのしわ寄せは、通常時でも行政や福祉のサポートが必要だった家庭と、その子どもたちにきている。

昨年末ごろ、A君(6歳)は母親に連れられて、ある病院にやってきた。自力で歩くことができないA君はベビーバギーに乗せられ、全身は内出血であざだらけだった。同じ年ごろであれば平均して20kg以上はあるはずの体重は、15kgほどにまで落ちて痩せ気味の状態だった。

視力は今も回復していない

医師の診断の結果、A君は極度の低栄養状態であることがわかった。全身のあざは、葉酸などビタミン類が不足したことによる皮下出血だ。目は角膜が形成できずに混濁し、見えなくなっていた。そのほかにも背骨の一部は圧迫骨折し、気胸で肺は潰れていた。A君は緊急入院となり、2カ月に渡る治療で命は助かったが、視力は今も回復していない。

一体家庭内で、何があったのだろうか。

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