鴻海精密工業(ホンハイ)が立ち上げた電気自動車(EV)の開発プラットフォーム「MIH」。そこでソフトウェアのワーキンググループ座長という重要な役割を務める日本企業がある。自動運転ソフトを開発するスタートアップのティアフォーだ。
2015年に設立された名古屋大学発のベンチャーで、同社が手がける自動運転用OS(基本ソフト)の「オートウェア」は国内外で200社以上が利用する。MIH参画は昨年9月。どのような経緯でホンハイと関係を深めてきたのか。同社の創業者でCTO(最高技術責任者)を務める加藤真平氏を直撃した。
──どのようなきっかけでMIHへの参画が決まったのですか。
昨年1月、ホンハイの劉揚偉・董事長(会長に相当)に本社(台北近郊の新北市)に招かれたのがきっかけだ。その時点ですでに、ホンハイにはEVのオープンプラットフォーム構想があり、自動運転用のソフトウェアを探しているようだった。
最初の接点はホンハイの深圳工場の案件だ。われわれはヤマハ発動機と工場敷地内の自動搬送などで提携しており、19年にホンハイからも(自動搬送について)相談を受けた。そうした経緯もあり、われわれの自動運転ソフトが劉董事長の耳に入ったのだと思う。
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