電力卸価格の高騰、今後の市場設計への教訓 高騰を防ぐには発電を担う企業の競争促進が必須

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2020年12月から21年1月にかけて電力卸売価格の高騰が大きなニュースになった。これまでの日本卸電力取引所(JEPX)における取引価格は1キロワット時当たり10円以下で推移することが多く、夏のピーク時間帯でも50円ほどが通常の高値だった。しかし、12月末から価格が50円を超える時間が続き、一時は251円にまで達した。

[図表1]

今回の価格高騰は、高騰の程度と期間の長さのどちらをとっても異様だった。そのため、規制当局や市場参加者を中心に原因究明の調査が続いている。また、河野太郎規制改革相が率いる「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」が独自の調査を行い「電力価格高騰問題に対する緊急提言」を発表した。

他国に比べ日本の電力市場はデータ公開が進んでおらず、それが原因究明をより難しくしている。そのうえで、本稿では限られた公開データから推測される「電力価格高騰の原因」を論じ、今後の市場設計への5つの教訓を挙げる。

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