高い付加価値、高い参入障壁、長期潮流の3要素で投資先を決める。
投資で成功するには、「投資家の思想」を持つことが重要だ。投資家の目線で、より広く、より大きくビジネスの本質を捉えて、他社や世界の動きを理解する。つまり経営者と同じ意識を持つということだ。
優秀な経営者は、ほとんどが優秀な投資家でもある。米バークシャー・ハサウェイの経営者で、投資の神様ともいわれるウォーレン・バフェット氏は、「私は投資家であるがゆえに、よりよい事業ができる」と断言している。
そうした考え方で、私が農林中央金庫で立ち上げたファンドは、下図にあるように、TOPIX(東証株価指数)やS&P500を上回るリターンを上げている。投資家の思想で、「売らなくていい会社しか買わない」という、強い思いで投資すべき会社を発掘してきた。
売らなくていい会社とは、構造的な強靭さを備えている会社のことだ。「高い付加価値」「高い参入障壁」「長期潮流」という3つの要素を持っている。
高い付加価値のある会社は、人にとって必要な価値を生み出している。例えば、米ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー。映画やテーマパークなどを通じて、キャラクターやコンテンツを販売しているが、そこで描かれる「かわいさ」「ヒーローへの憧れ」「家族愛」「成長ストーリー」は、世代や国境を超えて多くの人に訴求でき、「意味ある価値」を与えている。悩みや悲しみといった人々の問題を解決する価値をも持っている。
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