今の株価水準は「バブル」と判断している。
まず、世界の株式時価総額の合計が、世界の名目GDP(国内総生産)の合計を上回っている。投資の神様といわれる米国のウォーレン・バフェット氏もこの関係を重視している。米国だけで見ると、時価総額の対名目GDP比は180%を超えている。日本も同120%超。リーマンショックの前など100%を上回る状態になると、株価はその後下落している。
また、長期的な視点で、物価変動も考慮して割安か割高かを判断するCAPEレシオで見ても、世界大恐慌前やリーマンショック前の水準を超え、バブルの兆候を示している。IPO(新規株式公開)の件数や株式による資金調達額は、2000年前後のITバブルのときより多い。SPAC(特別買収目的会社)という、何の事業も行っていないのに買収することを目的に上場する会社も、昨年来急増している。空箱のようなSPACに資金が集まるのは、カネ余りによる運用難の証左だ。
最大限に開いたワニの口
今は株価が大きく上昇し、それに実体経済がついていっていない。ワニの口に例えれば、最大限に開いている危険な状態にある。これはいずれ必ず調整する。
最も怖いのはドルの価値に対して人々が疑いを持ち始めることだ。これだけカネ余りの状態にしてしまうと、ドルを持っているよりもモノを持っているほうがいいとなって、インフレ(物価上昇)になりかねない。
失業者が多く賃金上昇が鈍い中でインフレは起きないという見方もあるが、銅や穀物など商品の価格はすでに上昇している。EV(電気自動車)材料など脱炭素に関連したものも上がっている。今後は、失業率が下がらないのに物価が上昇するというスタグフレーションになることを懸念している。
この記事は有料会員限定です
残り 685文字
