脱ガソリンに揺れる軽自動車 電動化に立ちはだかる難題

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軽自動車にも押し寄せる電動化の大きな波。業界にとって過去最大の試練だ。

本誌:横山隼也、中野大樹
写真:車両価格や維持費が安い軽自動車は「庶民の足」として支持され、国内で販売される乗用車の3割超を占める

「時代の流れでいえば電動化なのだと思う。ただ、製造業としてモノをつくるには、さまざまなステップを踏んでやっていく必要がある」。国による「脱ガソリン車」目標設定の動きを全国紙が大々的に報じ始めた昨年12月中旬、スズキの鈴木俊宏社長は慎重に言葉を選びながら記者にそう語った。

その後、政府は、菅義偉首相が所信表明演説で宣言した2050年のカーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)実現に向けた実行計画を発表し、大きな目玉として、「35年までに乗用車の新車販売を100%電動車にする」目標を正式に掲げた。この電動車の定義には電気自動車(EV)と燃料電池車のほか、当面の現実解として、エンジンと駆動モーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)も含まれる。

二酸化炭素の排出削減に向け、ガソリン車の販売を将来的に禁じて電動化を推し進める動きは世界的な流れだ。すでに欧州などは脱ガソリン車に大きく舵を切っており、日本もそれに追随した格好となった。実行計画策定を主導した経済産業省は、「野心的な政策目標になった」(同省幹部)と胸を張る。

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