ロシアのブロガーで反政権活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏の解放を求めるデモが1月23日、ロシア全土の100カ所以上で行われた。〈モスクワの市民団体によると、同市では1万5千人以上が参加した。政権は治安部隊を投入し、人権監視団体OVDインフォによると、全国で3521人が拘束された〉(1月25日付「朝日新聞デジタル」)。ロシアの議会には共産党や自民党など野党勢力はあるが、プーチン政権と正面から対峙することは避けている。現状で、ナワリヌイ氏を中心とする運動はロシアで数万人単位を動員できる唯一の反政権運動だ。
通常、この種の抗議運動に対する鎮圧は内務省が行う。また、FSB(連邦保安庁=秘密警察)が運動の内部にスパイや挑発者を送り込んで攪乱する。プーチン大統領ら政権幹部は、ナワリヌイ一味など無視するのが従来の対応だが、今回は異なる。プーチン氏自身が乗り出し、ナワリヌイ氏を名指しすることは避けつつも、抗議運動を激しく批判した。〈プーチン大統領は(1月)25日、「誰でも法の枠内で意見を表明する権利があるが、法を逸脱すれば非建設的で危険なだけだ。違法行為は許されるわけがない」と述べた。反政権派の無許可デモに今後も厳しく対処する考えを示した。/25日にテレビで放送された大学生とのオンライン会議で話した。プーチン氏は、トランプ前米大統領の支持者らが米連邦議会議事堂に乱入した事件などを例に、違法な抗議やデモが社会に混乱をもたらすと指摘し、「こうした事態は決して起こさせてはならない」と強調した。/また、プーチン氏は、ナバリヌイ氏の陣営が発表したプーチン氏の私邸を巡る汚職の実態を暴露したとする動画について、「(動画で)私の所有物だとされた物は、私も私の親族も一度も所有したことがない」と否定した。動画は過去のうわさや無関係な映像の寄せ集めだとし、「国民を洗脳しようとしている」と主張した。/動画は、プーチン氏が黒海沿岸に、豪邸やブドウ園など総額1千億ルーブル(約1400億円)を超える不動産を実質的に保有しているとする内容だ。再生回数は8700万回を超え、ナバリヌイ氏の支持者以外にも反響が広がっている〉(1月26日付「朝日新聞デジタル」)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら