バイデン政権でも米中対立は止まらない インタビュー/国際情勢ストラテジスト ジョージ・フリードマン
連邦議会へのデモ隊乱入は、米国の分断の深刻さを世界にさらした。迷走する超大国の先行きを地政学のプロが鋭利に予測する。
──米国は、かつてないほど分断されています。フランクリン・ルーズベルト大統領で始まった1932〜80年の社会経済的周期は60年代後半から危機に陥り、その後に来たレーガン周期も終わりつつあると分析していますね。
南北戦争当時は今より分断されていたが、トランプの下で分断が深まったのは確かだ。この分断は、(80年に始まった)レーガン周期の終焉を示唆している。同時代にはテックブームが起こり、カリフォルニアや東海岸の人々が富む一方で、自動車や鉄鋼などの工業労働者階級は荒廃した。
そこにトランプが現れ、工業労働者階級を結集し、支配階級に挑戦状を突きつけ、対立が生じた。
レーガン周期には社会経済的対立に伴い、文化的対立も生まれた。中西部の労働者層は保守的だ。(知識に裏付けられた技能者の)テクノロジストと違い、人工妊娠中絶などに反対し、信仰心があつい。お互いに基本的な米国人像が違うため、感情的な対立が生じる。
60年代にもベトナム反戦運動や反体制派文化など、同様の危機が起こった。67年にはデトロイト暴動が勃発し、分断が拡大。74年にはニクソン大統領がウォーターゲート事件で失脚した。トランプも、ウクライナ疑惑をめぐる弾劾裁判にかけられた。
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