──前編では、同時複数ラウンド競り上げオークション(SMRA)の仕組みについてお話しいただきました。このオークションに参加する各事業者は、どんな入札行動を取ればいいのでしょうか?
事業者にもいろいろあって、免許を1つ獲得できれば満足という事業者もいれば、複数欲しいと考える事業者もいるかもしれない。結局、重要なのは、今ついている値段ですよね。その暫定的な価格と、自分にとっての免許の価値を比べて、いちばん儲けが大きくなると予想されるスロットに入札を続けるのが基本です。
入札に際しての「合理的な戦略」とは
仮にAとBという2つの入札スロットがあって、どちらか片方を獲得できればいいと考える事業者がいたとします。Aを落札してもBを落札しても経済価値があまり変わらないという最もシンプルなケースだと、単純に、値段の安いほうだけに入札すればいい。
例えば、免許を1つ獲得すると5億ドルの収入が、まとめて2つ獲得すると2倍にはならないまでも7億ドルの収入が得られるというとき、AとBにともに3億ドルの値段がついているとします。この値段で、AかBの片方だけ落札できたときは、5-3=2億ドル、2つまとめて落札すれば、7-6=1億ドルの儲けになる。2つ落札すると利益が減るので、これくらい値段が上がっているときは、どちらか1スロットだけを狙っていくことになります。
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