台湾・李登輝元総統を悼む 無私の政治リーダーだった
親日家の指導者として日本にも大きな影響を与え続けた台湾の李登輝元総統が7月30日、亡くなった。享年97。「22歳まで日本人だった」と自称し、亡くなるまで日本に深い関心を寄せていた。日本の政治家や著名人との親交も深かった李氏は、日本に対して多くの発言を残し、日本で発行された著作も多い。
本誌でも、2007年11月に台湾でロングインタビューを行った。権威主義の台湾を民主国家にいかに変え、「民主主義の父」と呼ばれる政治家になったのか。また、政治家として、指導者としての精神や身の処し方について丁寧に語ってくれた。日本に対しては温かいながらも厳しい指摘が随所にあった。
台湾人の政府をつくった
李氏は京都帝国大学を中退後、台湾大学を卒業。米国留学を経て、1971年に中国国民党に入党した。農業関係の閣僚となり政界での活動をスタート。84年に当時の蒋経国総統から副総統に任命され、88年に蒋経国が亡くなると当時の憲法の規定により総統職を引き継いだ。その後、中国国民党内の激しい権力闘争を勝ち抜き、総統直接選挙に至る道筋をつけた。
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