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台湾デジタル社会は健全、中国と大きな差をつけた スペシャルインタビュー/台湾・行政院政務委員、デジタル大臣 唐 鳳

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天才プログラマーの名声を得て15歳で起業。38歳の若きデジタル大臣が語るデジタル行政の最前線とは。

とう・ほう、Audrey Tang 1981年台湾・台北市生まれ。幼少からコンピューターに興味を示し、12歳からプログラミング言語を勉強。プログラマーとして有名になる。14歳で中学を中退。15歳で起業。19歳で米シリコンバレーでも起業。2016年から現職。
「台湾を代表するプログラマー」「天才」──。台湾では誰もがそう評価するほどの有名人である唐鳳氏。2016年10月から台湾政府初の「デジタル大臣」を務めており、19年に米外交政策専門誌『フォーリンポリシー』によって、「世界の頭脳100人」の1人に選ばれた。
今年1月に行われた総統選挙で蔡英文氏が再選されたことにより、唐氏はこれからも目玉閣僚の1人として活躍することになるだろう。ちなみに、唐氏は男性から性転換した女性で、世界初のトランスジェンダー閣僚でもある。そんな彼女は、「多様性を認める台湾」を象徴する存在でもある。唐氏にこれまでの実績、中国との比較、将来におけるITの可能性などを聞いた。

──蔡政権におけるデジタル大臣に就任して3年が経過しました。台湾のIT行政や社会は変わりましたか。

就任直後、行政院(政府)の公務員たちは「デジタル民主主義」や「開かれた政府」という言葉に不安を隠しきれずにいました。ネット上には行政への反対の声や怒りのこもったコメントがあふれている、と感じていたためです。そこで、私は「国民からの批判のコメントをすべて創造的なエネルギーに転換しましょう」と伝えました。

台湾的にいえば「騒々しい子どもを静かにさせようとアメをあげるのではなく、台所に誘って子どもと一緒にアメを作ろう」と。つまり、国民をどんどん議論に参加できるようにしました。

その成果には数多くのものがありますよ。例えば台湾は入山規制をしている山が多いのですが、登山愛好家のために登山の申請を簡単に行えるネットシステムを構築しました。また、納税申告をスムーズに行えるサービスもあります。このため、人口約2400万の台湾で、こうした電子システムを1000万超の人が利用するようになりました。

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