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広告氾濫時代の成功者、お客はアプリで捕まえる 従来型広告だけでは消費者の心は動かない

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顧客接点があらゆる場所に広がる中、業界の勢力図も変わりつつある。

「セブンカフェ5杯購入で1杯無料」「おにぎり10個購入で1個無料」。セブン‐イレブンのスマートフォンアプリを開くと、こんなキャンペーンが表示される。客は会計時、レジの端末でアプリ上の会員コードを読み取ってもらえばキャンペーンに参加できる。

セブン‐イレブン・ジャパンは昨年11月にアプリを刷新し、販促策を強化している。昨年12月末のアプリ会員は588万人と、2カ月で150万人増えた。1店当たりの売り上げ・客数増にも貢献したという。同社の2019年3〜11月期の広告宣伝費は前年同期比で約12%減少。テレビなど従来のマス広告費の一定量をアプリ販促費に移行した結果だ。「購買履歴を基にしたおすすめ情報の提供など、個人単位の販促を進めている」(広報担当者)。

テレビCMのように決まった枠の中で絵を動かし、消費者に商品を訴える従来型広告だけでは、企業のマーケティング活動に限界が出てきた。小売り・飲食店、消費財メーカーなど、ファンを増やすことに苦心する企業は、アプリを起点とした「CRM(顧客関係管理)」に舵を切っている。

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