トヨタ「ベアゼロ」の衝撃、本格化する賃金制度改革 ベアに終止符を打つ動き

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業界内外に影響を及ぼす可能性もある。

豊田章男社長は「いいと思ったことはやってみる」とさまざまな変革を推し進めている(写真は2019年5月の決算会見)(撮影:風間仁一郎)

2020年春季団体交渉で自動車メーカー側から一斉回答があった3月11日、業界内に衝撃が走った。トヨタ自動車が労働組合に対し、賃金のベースアップ(ベア)を実施しないと回答したからだ。

自動車大手の中では、ホンダがベア1000円の要求に対し500円の回答(19年は1400円)をしたが、トヨタのベア見送りは13年春闘以来7年ぶりとなる。一時金は6.5カ月要求に対し満額回答(10年連続)したにもかかわらず、なぜ「ベアゼロ」を決めたのか。

3月11日に会社側が開いた会見では、この点に質問が集中。「新型コロナウイルスの感染拡大で販売の悪化が見込まれることが理由なのか」と聞かれると、会社側は「それがなくても今回の回答だった」(総務・人事本部の桑田正規副本部長)と明確に否定した。

トヨタ自動車労働組合の西野勝義執行委員長は、「本当にギリギリの最後で受け入れた」と話し、ベアの獲得にこだわったことを強調する。3月4日に行われた3回目の交渉で、経営側の代表である河合満副社長(総務・人事本部本部長)は賃金をめぐって、次のように発言している。

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