TOB阻止狙い徹底抗戦、前田道路が出した「奇策」 同業のNIPPOとの提携を模索
前田建設に対抗しうるのか。
TOB(株式公開買い付け)を仕掛ける前田建設工業と、仕掛けられる側である前田道路との対立が深刻化している。
2月27日、道路舗装2位の前田道路は同首位のNIPPOと資本業務提携の検討を開始すると発表した。5%をメドに相互出資し、道路舗装に使うアスファルト合材の製造プラント分野や技術者の人事交流などで協業を目指す。
さらに、4月14日に臨時株主総会を実施し、1株650円(総額約535億円)の特別配当を実施する計画も打ち出した。
前田道路が進めるこれらの施策は、筆頭株主である前田建設によるTOBへの対抗策にほかならない。前田建設は1月21日、前田道路に対するTOBを開始。直近株価に約50%のプレミアムを乗せた1株3950円、総額約861億円を投じ、3月4日まで(後に同12日までに延長)TOBを実施して、前田道路への出資比率を24.68%から51%に引き上げる計画だ。
前田道路が打ち出した一連の対抗策の中で、とくに前田建設側に衝撃を与えたのは巨額の特別配当だ。前田建設の公開買付届出書には、純資産を10%以上減らす配当が行われた場合、企業価値が目減りするので、TOBを撤回する可能性が記載されている。2019年末時点の前田道路の純資産は2092億円。前田道路の特別配当計画は純資産の10%を軽く超える。
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