イオン23年ぶりトップ交代、新社長に2つの重い課題 GMS改革が急務

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事実上、初の生え抜き社長だが、激動期の船出となる。

1月10日、千葉の本社で社長交代を発表。創業家の岡田元也社長(右)の後任には、現イオンモール社長の吉田昭夫氏が就く。現地・現場主義を徹底するスタイルで、重要ポストを担ってきた(撮影:尾形文繁)

GMS(総合スーパー)最大手のイオンが、23年ぶりの社長交代を決めた。吉田昭夫副社長(59)が3月1日付で社長に昇格し、創業家出身の岡田元也社長は、代表権のある会長として引き続きグループ経営に携わる。

1月10日、千葉市の本社で行われた会見の席上、元也氏は「イオンはこのところ成長スピードが落ちている。新しいリーダーの下、成長モードを切り替えていかなければならない」と淡々と答えた。だが、「事前の連絡はいっさいなかった」(グループ会社首脳)と言うように、国内外で300社を超えるグループ企業の幹部がトップ交代を知ったのは発表当日。本社で幹部向けに元也氏が自ら説明を行ったのは、発表から1週間後のことだった。

長期政権の弊害

三重県の呉服店「岡田屋」を源流とするイオンは、M&A(企業の合併・買収)をテコに業容を拡大してきた。元也氏の父親で名誉会長を務める岡田卓也氏は、地域スーパーのフタギ、シロとの共同出資でイオンの前身であるジャスコを1970年に設立した。  

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