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「仕組みはできた。目指すはブルーオーシャン領域だ」 ITセクター責任者・塩塚啓一副社長に聞く

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しおつか・けいいち/中央大学経済学部卒業後、1977年に日立製作所入社。金融システム中心に情報通信畑を歩み、2013年常務、15年専務、17年から副社長(撮影:梅谷秀司)

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日立製作所の情報・通信部門である通称「マル情」。2019年3月期は調整後営業利益率が10%を超えるなど日立全体の業績を牽引している。IoT(モノのインターネット)基盤「ルマーダ」を武器に今後も業績を一段と伸ばす方針だ。そのトップである塩塚啓一副社長に現状と今後の戦略を聞いた。
(注)本記事は週刊東洋経済12月14日号の特集、『変わる日立 IoTで世界へ挑む』の関連インタビューです。

――塩塚副社長が率いるITセクターが日立全体の収益を引っ張っています。何が分岐点だったのでしょうか。

この3年間の中期経営計画を総括した時に、よくいろんな人からその質問をされる。そのとき、いつも必ず1行目に答えるのは「何らウルトラCはやっていません」ということだ。情報やSI、SEの各事業でやるべきことを愚直に細かく1つ1つやってきた成果だ。

ただし、マネジメント体制はずいぶん変えた。この業界では想定外のコストがかさんだり、大口の赤字プロジェクトが出たりする。それは顧客が最初にこういうことをしたいとした要件定義がプロセスとともに変わってしまうからだ。

――具体的にはどういうことでしょうか。

家に例えるとわかりやすい。「2階建ての4LDKの家を造りたい」と、顧客が言っていても、途中でどんどん間取りが変わってくる。「ここに出口がいる」あるいは「このドアはこういうふうに変えてくれ」などだ。これは学会で馬鹿(うましか)理論って言われている。バカの理論。馬を作っていたつもりが鹿になるということ。これがソフトウェア開発の宿命だ。この世界は非常にビジブル化するのが難しい。だが、当社はそれをビジブル化するツールを作ってきた。それが事業運営の肝だ。

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