日本有数のコンパクトシティを生み出したのは、水不足という弱点だった。
地方自治体の大半が人口減少に陥っているのとは対照的に、毎年人口が増加しているのが福岡市だ。2018年9月末時点で約150万人に上り、10年で10万人増えた。
国内外での評価も高い。06年に米『ニューズウィーク』の「世界で最もホットな10都市」に選ばれた。英情報誌『モノクル』が16年に発表した「世界で最も住みやすい都市ランキングトップ25」では7位、野村総合研究所が17年に発表した「成長可能性都市ランキング」ではポテンシャル部門で1位だ。
福岡市がほかの都市より優れている点は2つある。
1つは人口構成のバランスがよいことだ。単に人口が増えているだけでなく、若い人が多い。15年の国勢調査によれば、人口に占める10〜20代の比率は22.05%と、政令指定都市で最も高い。福岡市が学園都市の側面を持つことがその理由だ。人口に占める大学生と短大生の比率は5.0%と、京都市、東京23区に次ぐ。
都市の形は急につくられるわけではなく、急に変えることもできない。50〜100年前に実施したことが、今の時代の評価につながることもある。
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