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心も支配する腸の働き 科学を知る喜びを
2018年はノーベル医学生理学賞に免疫学者の本庶佑・京都大特別教授が選ばれ日本中が沸き返った。免疫療法という画期的ながん治療法の原理が評価され、21世紀にがん克服の可能性が見えてきたのである。
これは基礎研究が応用につながったベストケースで、根底には未来のサイエンスに対する長年の蓄積があった。本稿では、近い将来、社会にブレークスルー(画期的な進展)をもたらす分野を知るためのお薦めの5冊を紹介しよう。
『腸と脳』は、腸内にいる細菌を介して脳と腸がつながっているという最先端の生理学に基づく医学啓発書である。体の中には腸管神経系と呼ばれる1億個もの神経細胞があり、絶えず脳と生体情報をやり取りしている。これは第2の脳ともいうべき細胞集団で、健康の維持に極めて重要な役割を果たしているのだ。
腸内微生物の持つ緊密な情報ネットワークは、健康な身体を維持するだけでなく、気分や深い情動まで支配している。いわば体内の会話をつかさどっているのだが、うつ病や心の不安も腸内環境の異変と関連する可能性があるという。
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