有料会員限定

打ち捨てられた日本市場 ドライすぎる商品戦略 海外市場の拡大を最優先

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

経営危機に瀕した日産自動車にルノーからカルロス・ゴーン氏が送り込まれたのは1999年。「日産リバイバルプラン(NRP)」によるリストラ戦略が功を奏し、V字回復を遂げた。業績数字を見るかぎり、日産はエクセレントカンパニーに返り咲いた。

しかしその陰で、打ち捨てられた市場がある。それはほかならぬ日産のマザーマーケットである日本だ。

5年で新型車は4台 海外の「お下がり」も

NRPの成功を受けて、以後中期経営計画は6回策定されている。それらを見ると、徐々に日本市場のプレゼンスが落ちていっているのがわかる。

経営合理性の観点から、日産が注力すべきマーケットは北米とASEAN(東南アジア諸国連合)と中国に絞り込まれた。北米での日産の上位ブランド「インフィニティ」を軸に高付加価値商品を展開すると同時に、タイでの生産は新興国に向けた小型車に特化した。

ひるがえって日本マーケットを見てみると、直近5年間で、軽自動車を除外し、フルモデルチェンジを行った新型車は2013年の「スカイライン」、14年の「ティアナ」、16年の「セレナ」、17年の「リーフ」の4車種しかない。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内