表面化し始めた品質問題 根拠が薄い長期性能保証 緊急連載|太陽光発電の落とし穴 最終回
太陽光発電所で初期不良問題が相次いで表面化。パネルメーカーの長期性能保証はセールストークの色彩が強く、根拠が不十分だ。
太陽光発電設備を設置した直後から、不良品に悩まされるトラブルが相次いでいる。
2年近く前、関東地方で2カ所の太陽光発電設備を導入した企業の社長は、遠隔監視システムの画面に表示された発電出力の波形に目を疑った。天気がいいにもかかわらず、片方の発電所では実際の出力が、スペック値である定格出力(49.9キロワット)の半分以下の20キロワット程度で頭打ちになっていた。もう一つの発電所でも定格出力を大幅に下回っていた。
社長の要請を受けて、工事を担当した施工会社が設備を調べてみたものの、パワーコンディショナー(記事下部に用語解説)などの機器や配線に異常は見つからなかった。電力会社への問い合わせも含め、さまざまな手だてを講じた末に原因が太陽光パネル(太陽電池モジュール)そのものにあることを突き止めるまでに、2カ月もかかった。
この施工会社は、IVカーブ(電流・電圧特性曲線)測定器と呼ばれる専用の機械を新たに購入。1620枚のパネルのうち、約100枚を取り外して調べてみると、ほとんどのパネルでIVカーブが異常な形になっていた。「もともと所持していた電圧計ではわからなかった波形の乱れを確認できた。太陽電池セルそのものの不具合だと確信した」(同施工会社の代表)。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら