大停電の北海道電力 情報開示を豪州に学べ
北海道で起きた大停電。電力復旧は急ピッチだが、情報開示への消極姿勢は疑心暗鬼を招いた。2年前に大停電が起きた豪州の事例から学ぶ点は多い。
9月6日午前3時7分。北海道胆振(いぶり)地方を襲ったマグニチュード6.7の大地震をきっかけに、北海道全域で「ブラックアウト」(大規模停電)が発生した。大手電力会社の供給エリア全域が停電に見舞われた事態はわが国で初めてだ。停電戸数は約295万戸に達し、地震の被害を受けたエリア以外がほぼ復旧にこぎ着けるまでに、約2日を要した。
日本の電力会社は、緊急時に停電の範囲を最小化する保護システムの開発など、有事に備えて技術力を磨いていた。その結果、停電時間は先進国中でも短く、電力の安定供給能力では世界でもトップクラスだと見なされてきた。それだけにブラックアウトの衝撃は大きく、大手メディアでも「二度と繰り返してはならない」「電力会社の責任は重い」といった論調が見られた。
だが、海外の電力系統に詳しい専門家は、「世界のどの国でも、ブラックアウトは10年に1度など、ある一定確率で発生するとの想定で電力システムが構築されている」(安田陽・京都大学大学院特任教授)と話す。むしろ、日本でこれまで起きなかったこと自体が評価されるべきだという。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら