引っ越し過大請求で露呈 ヤマト風土改革の正念場 揺れる業界の盟主

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調査委員会の報告書では、倫理意識の低さが浮き彫りになった。

都内のヤマトホームコンビニエンスの拠点は稼働していない車両も目立った

「全てのグループ会社において内部統制を含め、経営のあり方を見直していきます」

9月6日、ヤマトグループの社内サイトにヤマトホールディングス(HD)の山内雅喜社長のメッセージが掲載された。傘下のヤマトホームコンビニエンス(YHC)の過大請求問題を受けたもので、信頼回復に全社一丸となり取り組む必要性を訴えた。

山内社長からグループ社員に向けたメッセージ

ヤマトHDは8月末、この問題で、社外の弁護士らで構成される調査委員会の報告書を公表した。過大請求額は総額17億円。そのうち16%が悪意を持って見積額を上乗せしていたことや、一部では組織ぐるみの不正があったことも明らかになった。

調査委員会は「YHCは全社的に倫理意識が欠如していた」と厳しく指摘。山内社長は「顧客の信頼を裏切り、深くお詫び申し上げる」と陳謝した。

YHCは7月の問題発覚後、法人向けサービスの受注をやめ、9月からは個人向けも休止。最繁忙期の来春までの再開を目指している。YHCの業績は今回の問題で6期ぶりに営業赤字となる見通しだ。

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