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認可までの1年3カ月は大きすぎる損失だった 鈴木幸一 その2(全4回)

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すずき・こういち●インターネットイニシアティブ(IIJ)会長兼CEO。1992年に前身企業を創業、日本初の商用ネット接続サービスを立ち上げた。2013年6月から現職。(撮影:梅谷秀司)

郵政省(現総務省)からの認可は下りない、資金はない。コンサルなどで蓄えた貯金を社員の給与に回していたが、1993年の暮れには自己破産を覚悟する状況にまで追い詰められた。翌年の年明け、意を決して郵政省幹部に「認可に必要な具体的条件を教えてほしい。場合によっては行政訴訟も辞さない」と迫った。そうしてやっと「最低3億円の財務基盤」という具体的な条件を引き出せた。

そもそも、事業者登録の認可に「3年間無収入でも潰れない財務基盤」を求める合理性や法的根拠はないと思っていた。通信は本来国防的な観点から考える産業で、民間がやるとコントロールできなくなるという拒絶感が国にあったのだろう。誰が管理できるのか、という部分で郵政省がシリアスに考えたのかもしれない。通商産業省(現経済産業省)にもお願いに行くと、そちらのほうが理解があったが、逆効果だった。当時の両省は、せめぎ合っていたからだ。

認可の条件が示されてからは必死に担保をかき集め、2月に三つの銀行から1億円ずつの融資保証を得ることができた。2月末にようやく郵政省から事業者登録の認可が下り、事業を開始できたのが3月。会社を起こして1年3カ月が経っていた。大事な時期、米国や世界で情報通信の革新が進む中、あまりにも大きな時間のロスだった。

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