SOU 社長 嵜本晋輔 起業家の子ども時代「出る杭を育てる」第3回
創業からわずか6年間で東証マザーズに上場──。今年3月、そんな偉業を果たしたのが、高級ブランド品や貴金属のリユース事業を手掛けるSOUだ。同社を率いるのは、かつてJリーグのガンバ大阪に在籍した元サッカー選手の嵜本(さきもと)晋輔(36)。異色の経営者誕生の背景には、父や兄など家族の影響が色濃くあった。
父の背中に学んだ経営の姿勢

「私の人生は息子たちのためにあったし、これからもそう」
少し照れながらそう語るのは、晋輔の父、政司である。骨董美術品の鑑定士として長年腕を振るってきた政司が目を細めて言う。
「私の趣味は仕事と家族。それ以外に興味を持てなかった。三男の晋輔が結局、僕と同じ業界に身を置いてくれたのはうれしい」
晋輔は1982年、大阪で生まれた。3兄弟の末っ子。長兄とは3学年、次兄とは2学年違いで、年齢が近く三つ子のように育った。何をやるにも3人一緒、兄弟げんかした記憶はないという。
「両親が兄弟に溝ができないよう気を使って育てたのかもしれません。僕は上の二人にライバル心や敵対心を感じたことがない。兄たちを誇りに思ってきた」(晋輔)
兄弟は他人の始まりといわれる。よくある最初のけんかの原因は親の愛情の取り合いだ。だが3兄弟にそれは当てはまらなかった。
「どっちが正しいか悪いかでなく、トラブルの原因を一緒に考えさせた。3人ともそれに不満を持ったことはないと思います」(父)
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