企業は一般的に、広告に2種類の効果を期待している。一つは消費者に自社の商品・サービスを知らしめ、購入してもらうきっかけを作ること。もう一つが自社のイメージをビジュアルやコピーで伝え、消費者の共感やブランド・ロイヤルティを喚起することだ。
たとえばテレビ放送でいえば、TBSテレビの「日立 世界ふしぎ発見!」(スポンサー企業=日立製作所)や、テレビ朝日の「世界の車窓から」(同=富士通)のような、長年にわたり特定の企業が広告を提供している番組がある。これは誰もが楽しく見られる良質な番組で、幅広い層にブランドを認知してもらう機会としてふさわしいと考えているからである。
ところが今、インターネット空間で起こっているのは、企業がコストをかけて出稿した広告が、逆に企業イメージを損なう危険性を招いているという事態だ。公序良俗に反していたり、極端に思想が偏っていたりするネットメディアに、自社の広告が想定外に配信されてしまうことで起こる。いわゆる「ブランドセーフティ」の問題で、欧米の大手ブランド企業の間ではここ2年ほどで急速に危機管理意識が高まっている。
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