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背景に皇太子の危機感 サウジで要人大量逮捕

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政敵排除や人気取りを狙っての王族らの逮捕は対立の火種。協力関係にある日本企業にも不安が広がる。

(保坂修司●日本エネルギー経済研究所中東研究センター研究理事)写真:32歳のムハンマド皇太子が主導する経済改革が思うように進んでいない

日本にとって最大の原油輸入相手国であり、日本企業との関係も深いサウジアラビアで政変が起きた。11月4日、ムトイブ国家警備隊相、ファキーフ経済企画相、アブダッラー・スルターン海軍司令官といった現役の閣僚が解任され、腐敗防止最高委員会が設置されたのだ。その委員会の議長には、現国王の息子であるムハンマド皇太子(上写真)が就任した。

同委員会は200人以上の要人を腐敗・汚職などの容疑で逮捕。その中には前述の閣僚のほか、世界有数の投資家ワリード・ビン・タラール王子ら王族や実業家も含まれているという。

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日本政府は今年3月、現国王の来日時に「日・サウジ・ビジョン2030」に合意した。脱石油依存と雇用創出を掲げる、2030年に向けてのサウジの経済改革「サウジ・ビジョン2030」を支援するものだ。多くの日本企業も協力を表明している。

しかし、サウジアラビアは王族たるサウード家による独裁国家。報道の自由もないので、いまだ誰が逮捕されたのか詳しくは不明だが、経済企画相や王族といった要人が逮捕されたことで、日本企業はパートナーの組み直しや計画の練り直しを迫られかねない。新たに組むパートナー選びも誰なら大丈夫なのか疑心暗鬼の状況が続く。

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