クルド自治区の明日 中東の新火薬庫
9月の住民投票でイラク中央政府との緊張が高まるクルド自治区。独立の悲願はかなうのか。
イラクのクルド自治区の独立をめぐって、同国内の情勢が緊迫している。同自治区では、独立の是非を問う住民投票が9月25日に行われた。投票管理委員会は27日、賛成票が92.73%に達したとする開票結果を発表した。
投票が締め切られた25日夜、イラク中央政府のアバディ首相は国営テレビを通じた演説で「住民投票は違憲だ。結果について協議や対話をする用意はない」と述べ、独立交渉を拒否した。またエルビル国際空港の明け渡しを求めた。実際に9月28日18時から国際線フライトはすべて運航停止となった。
イラク中央政府によれば飛行禁止が解かれるのは12月29日だということだ。こうした中、10月14日、イラク中央政府はクルド自治区が実効支配する油田地帯、キルクークの前線まで軍を進めた。すでに同地の主要施設を占拠したと報じられている。現地の友人によれば、武力衝突によってクルド自治区側に20人前後の死者が出たそうだ。
10月18日、クルド自治政府のバルザニ議長は「失った命を無駄にしない」との声明を発表。独立に向けてあらためて決意を明らかにした。
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