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高等教育へのあるべき政府の関与とは何か。代表的な2つを取り上げる。

大学を社会保険化せよ

所得連動返済型ローン

大学授業料を賄うためにはどんな資金調達方法が有効だろうか。住宅ローンと比較してみよう。

住宅ローンは住宅を取得するために資金を借りるもの。消費者は、雨風をしのいだり居住したりといった便益を住宅から得て、一方で住宅はローンの担保にもなる。貸与型奨学金や学生ローンで住宅に該当するのは、高等教育の学位とその裏付けとなる自身の人的資本だ。学生は将来の所得増などの便益を学位から得るために大学進学という消費を行う。

ただ、学位には住宅と大きく異なる部分もある。住宅は取得すればそこから便益を得られるのが確実だが、学位は進学しても取得できないリスクがある。また、学位から得られる将来の所得増にもバラツキがあり、経済環境などを背景に、場合によっては低年収が続く可能性もある。さらに学位はローンの担保になりえない。それを売って返済資金に充てることができないためだ。

学位や人的資本にはエクイティ投資型が合う

このように学位や人的資本は住宅などの物的資本と違って不確実な部分があり、それがローン契約や大学進学を躊躇させ、過少な消費(就学)を招きかねない。特にこの傾向は低所得層で強い。

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