溶けた核燃料を原子炉から取り出す──40年ともそれ以上ともいわれる廃炉作業は完遂できるのか。
東京電力・福島第一原子力発電所の廃炉を実現するうえで、最難関の作業が、「燃料デブリ」の取り出しだ。メルトダウン(炉心溶融)した核燃料が冷えて固まったもので、極めて高い放射線量を持つ。
その燃料デブリの取り出しに向けて重要な一歩となる実証試験が、この11月、福島県楢葉町の施設でスタートする。40メートルほどの高さがある巨大な試験施設(下写真)、日本原子力研究開発機構の楢葉遠隔技術開発センターだ。福島第一原発にある「圧力抑制室」や「ベント管」(図表1)の実物大模型(図表1内-下写真)が据え付けられている。
ここに東電や原子炉メーカー、原子力機構などの技術者が集まり、廃炉作業で必要になる補修や止水の手順をチェックする「施工性確認試験」に着手する。
燃料デブリを冷却するために注入された水は、格納容器の下部からベント管を伝って、圧力抑制室に流れ込んでいる。東電が調べたところ、圧力抑制室やベント管の近辺には、いくつもの漏水箇所のあることが判明した。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら