10月20日、東京電力・福島第一原子力発電所のタンクや原子炉建屋などにためられている放射能汚染水の総量が100万トンを突破した。汚染水は1年間に18万トン増え、タンクの空き容量は1年前の約19%から約6%に縮小した。
新たに建設した、漏洩リスクの低い溶接型タンクはほぼ満水状態にある。このため、かつて高濃度の汚染水をため、汚れが付着している古いタンクにも、トリチウム以外の放射性核種を取り除いた浄化水を再び貯留せざるをえない。それどころか、今の状態が続けば、タンク貯蔵計画そのものが行き詰まりかねない。
「タンクの増設は難しいというが、何でできないのですか」
原子力規制委員会が8月18日に開催した福島第一原発の廃炉・汚染水対策に関する会合(通称、1F検討会)。更田豊志・規制委委員長代理は、東電の出席者を前にいらだちを募らせた。
規制委に背中を押される形で東電は9月28日の1F検討会でタンク増設計画を明らかにしたが、その内容は既存のタンクのリプレースや工期短縮が中心だった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら